旅館に、もっと熱を。Staff Blog

スタッフが綴る富嶽はなぶさをお楽しみください

刺身の盛り方のあれこれ。「皮が手前だけど大丈夫?」

刺身が逆?

「伊豆に旅行に行く」

さて、何を楽しみにしましょうか?…やっぱり「食べ物」ではないでしょうか?

伊豆半島は本当に食材豊かな場所。

  • 駿河湾の深海魚
  • 中伊豆の山葵やキノコ
  • 三島の山麓野菜
  • 天城のジビエ

などなど、挙げたらキリがないほどの食材があります。

特に観光客の期待値が高いのが「海鮮」ですよね。

沼津港が賑わっているのは、当然「美味しい海鮮を食べたい」という方が多いから。

当館の夕食でも、当然お造りは提供しています。

ただ盛り付けがちょっと変わっているので、「あれ?」と思うお客様もいます。

富嶽はなぶさのお造りは、「皮手前」「重ね造り」で盛り付けています。

 

お造りの盛り付け

お刺身には幾つかの”決まり事”があります。

切り方は

  • 平造り
  • そぎ切り
  • 重ね造り
  • 薄造り
  • 小波造り
  • 姿作り

など様々。

他にも、

  • 奇数に盛り付ける
  • 角を立たせる
  • 向山に盛る
  • 山葵は右下に盛る

などなど、刺身を切ったり盛ったりするには様々なルールがあり、ルールを破ると「あれ?」となるお造りが完成する。

和食の料理人で左利きがNGなのは、刺身の向きが違ってしまう事に起因しています。

通常、

  1. “向こう山”と言って奥のお造りを高く盛り付ける
  2. 角を立たせる
  3. 平作りかそぎ切りにし
  4. 平造りなら皮を上に・そぎ切りなら皮を奥に
  5. 器やあしらいで5色に彩る
  6. 山葵は左側に

というのがオーソドックスな盛り付けなのかなと。

 

富嶽はなぶさのお造り

当館のお造りの盛り付けは少し独特で

  • 「皮手前」
  • 「重ね造り」

を基本に盛り付けます。

  1. 理由としては、鯛を湯引きにして「松皮造り」にし、”皮まで美味しく召し上がっていただきたい”
  2. 皮の色味を楽しんでいただきたい
  3. いつもとは違った盛り付けを提供したい

と言う想いがあります。

あくまでも前述した”ルール”を守り、その中でアレンジしています。

少しお詳しいお客様なら「あれ?」と思うかもしれませんが、そんな想いでお刺身をご提供しております。

盛り付けまで楽しんでいただけたら幸いです。

 

プロの板前が造る

先日、お客様から「皮が手前で盛り付けが間違っていた」と言うアンケートを頂戴しましたのでこのブログを書きました。

やはり”ちゃんと伝える”をし続けないと、お客様の「あれ?」を払拭できないな…と反省。

しかしながら、当館の板前は全員プロ中のプロです。

僕も板前を10年以上やっています。

盛り付けや食材、味付けなどはご安心していただいて大丈夫です。

その上で「口に合う・合わない」はあるので、当館のお料理がお口に合ったら嬉しいなと。

もしお口に合わなかったお客様も、ご自身のお口に合う宿と出会えたら嬉しいなと。