旅館に、もっと熱を。Staff Blog

スタッフが綴る富嶽はなぶさをお楽しみください

ふと思った「チョット刺身で食べてみるか」の結末

鮎のお刺身って食べた事ありますか?

夏の川魚の代表格「鮎」。焼き魚の姿を想像する人が多いはず。鮎の姿焼きも美味しいですよね。化粧塩して、こんがり焼いた鮎を蓼酢で。ええ、最高ですわな。
でも、はなぶさ旅館の鮎はお刺身で。何故か?
はなぶさ旅館の鮎は、お刺身で食べられるほど鮮度が良く美味しいから。よく考えてみてください。鮎の塩焼きってどこでも食べられますよね?東京の居酒屋だって、田舎の旅館でだって、祭りの出店だって。それじゃあ、せっかく伊豆に来た意味がない。だから、はなぶさ旅館の鮎はお刺身で。それも姿造りで。ぶっちゃけ、めちゃめちゃ美味しいです。
以前は、はなぶさ旅館でも鮎は塩焼きでご提供していました。それまでの冷凍の鮎をやめて、地元の養殖場で育てている最高に美味しい生の鮎を、その日に仕入れるように。もちろん味は相当美味しく、お客様からも大好評でしたが、なんだか自分の中でしっくりこないものが。
「せっかく高い仕入れ値をかけて、最高に美味しい鮎を仕入れているのに、何だか普通だな・・」という思いが。
冷凍鮎から考えれば、仕入れ値は倍以上。では、倍以上の感動をお客様にご提供できているのか?ふと、「チョット刺身で食べてみるか」と思い、鮎を三枚に卸して皮を引いて食べてみてビックラこきました。香りが高い鮎は、刺身にしてもその香りは損なわれず、鼻から抜けていきます。気持ち良いくらいに。そして程よく乗った脂は、醤油浸すと醤油の表面に脂が浮くほどのノリ。淡白ながらも、しっかりと味のある味わいが素敵。

正直、鮎のお刺身がこんなにも美味しいとは思っていませんでした。
「刺身にして問題なかった」ではなく「鮎の刺身の美味しさを、ぜひ知ってもらいたいから」という気持ちで、鮎のお造りを提供することにしました。鮎の姿造りは、毎年9月までご提供しています。段々と身が大きくなって、味わいも変わってくる鮎。脂のノリも、どんどん良くなっていきます。正直8月いっぱいが鮎の旬ですが、楽しみにしてくれているお客様のために、9月までご提供します。