旅館に、もっと熱を。Staff Blog

スタッフが綴る富嶽はなぶさをお楽しみください

富嶽はなぶさ名物「A5和牛静岡そだちステーキ」がリニューアル!

量よりも質へ

富嶽はなぶさでもう10年以上名物となっている「A5和牛静岡そだち」。

まだ肉をメインにする旅館が少ない時から、”級”が付かないほど良いお肉「飛び級ステーキ」として販売していました。(*現在は食品表示の観点で”A5ランク”としてます)

現在は「メインがお肉」という旅館も少なくないですが、当初から特化させていた富嶽はなぶさは「お肉の宿」というイメージが付いているのかなと。

  • 静岡そだちステーキ
  • 静岡そだちの炙り寿司
  • ふじのくにポークのしゃぶしゃぶ

などなど、プランによってもお選びいただけます。

 

名物のステーキ

(写真はリニューアル前のもの)

当館で人気のプラン「【竹】A5和牛・静岡そだちのステーキ&炙り寿司」は、上質なお肉を超絶満喫するコース。

「とにかく肉を食べたいんじゃい」という方は、迷わずこのプランをポチってOKです。

上記プランのステーキは

  • 肉の量は80gとかなりパンチのある量
  • 味付けは山葵と戸田塩のみ
  • 野菜は付け合わせ程度に

という感じでした。

フルコースの終盤戦に80g。ステーキ屋か?というくらいの量だったので、女性のお客様は残すことも少なくありませんでした。

また味付けは戸田塩のみだったので、脂の多いA5サーロインを食べるのにはどうしても飽きがくる。もちろん、戸田塩もお肉も非常に美味しいのですが。

そして野菜は、玉ねぎ・椎茸・にんじん・ししとう・エリンギなど当たり障りのない野菜たち。

当初は珍しかったステーキも、随分と陳腐化してしまったな…と思うように。

 

リニューアルは「量より質」がコンセプト

という事で、慣れ親しんだステーキの内容を一新することに

調理場と一緒に話し合い

  • 「量はこれで良いのか」
  • 「食べ方はもっと面白くできないか」
  • 「プレゼンテーションの内容を変えてみようか」
  • 「器を変更してみるか」
  • 「野菜もこだわってみようか」

などなど、今までの問題点を上げ、リニューアルの方向性をまとめることに。

 

まずは量

そもそも「フルコースを食べて、サーロインのステーキを80gも出すのは不親切なのではないか?」という議論に。

自分も食べてみて感じたが、僕ほどのデブでも腹がパンパンになる程の量。

「確かに女性で食べ切れる人の方が稀かも」と、思い切って量を50gへと減量することに。

正直、量を減らすことはかなり勇気がいる判断でした。今回のリニューアルの目的は「値段を下げること」ではなく、「もっと良い質の提供方法で楽しんでもらう」ですので。

ご常連のお客様に「量が減ったね」と言われたらどうしよう…と思ったりも。一方で、ご常連様からも「もう少しステーキの量が少ない方が嬉しい」という声があるのも事実。

だから「どういうステーキを提供して楽しんでもらいたいか」が大事だな、って思い直したんです。

「ステーキの量が少なくなったからもう行かない」というお客様がいても仕方ない!って割り切ることに。

変化し続ける富嶽はなぶさを、愛してくれるユーザーを大事にしよう!ってね。

 

5種類の食べ方

量を少なくしたからには、質をあげないといけません。

初めに「食べ方のプレゼンテーション」について再構築しました。

今までの「塩と山葵」は、ステーキを始めた当初は目新しくて斬新でしたが、今となっては「普通」のプレゼンテーションに。

そこで、食べ方をオリジナルのソースで楽しんでもらおうという方向へと。

15種類ほどのオリジナルソースを作り、その中から味・バランス・面白さ・表現力・肉との相性 などを考慮して以下の5種類を選択。

  1. 牛脂赤ワインソース
  2. ニンニク味噌
  3. 梅肉ソース
  4. 納豆出汁ソース
  5. 戸田塩&天城産本山葵

王道の赤ワインソースや、今までの戸田塩と山葵のコラボはやはり外せない美味しさですが、自家製のニンニク味噌もパンチがあって美味しい。変わり種の梅肉ソースは脂が多いお肉をサッパリと。納豆出汁ソースは、「え?納豆?」という面白さと美味しさを。

今までの短調な味わいから、バリエーション豊かに召し上がっていただこうと志向を凝らしました。

お客様からも「色々な味が楽しめて嬉しい」というお言葉もたくさん。

今回のリニューアルでの一番大きな変化だと思います。

 

切り方も2種類で

ステーキの切り方にも変化を。

  • そぎ切り
  • サイコロ切り

と、今までのそぎ切りだけではなく、今回からはサイコロ型でのご提供も。

「食感の違いを楽しんでもらいたい」という料理人の想いでの変化です。

当館のステーキは、お客様自身が自分自身で鉄板で焼くスタイル。だから、焼き加減にムラが出てしまわないか?と試作時に色々な項目を確認していきました。

ちょうど良い大きさで、ソースの数と同じ5切れを。細部にもこだわりを詰め込みました。

 

三島西麓野菜

野菜は全て三島西麓野菜に変更。

  • あやめ雪カブ
  • ズッキーニ
  • 三島人参
  • 原木椎茸

(*上記は一例です)

などなど、季節に沿った三島西麓野菜を。

生でもバリバリそのまま食べられる美味しさですので、カブの葉などは敢えて付けたままにしております。

戸田塩はもちろん、ニンニク味噌との相性も抜群です。

野菜も最高に美味しいものをどうぞ。

 

今までとの違いを「見た目」でも表現するため、器も一新しました。

本当に多くの器のサンプルを取り寄せ、実際に盛り付けてみて一番スタイリッシュな形になる器をチョイス。

丸く縁取られた模様の中にステーキを盛り付け、主役が引き立つようにと。

塩を器側に盛り付けるのは、黒の器に映えるから。

かなり高い器でしたが、「買ってよかった」と心から思っております。

 

質より量へ

「メイン料理をリニューアルする」というのは、結構勇気がいるものでした。それも量を減らして質を上げるという変化は。

実際に、「以前の方が量があって良かった」という声も少ないですが頂戴しました。でも、それ以上に「ステーキめっちゃ良かったです」という声を多くいただきます。

ご常連様からも「今まではステーキの量が多すぎて注文できなかったがこれなら注文できます」とも。

リニューアルして本当に良かったと思います。

日々アップデートしていく富嶽はなぶさを、愛していただけたら幸いです。

「現状維持は衰退」

まだまだやれることをどんどんやっていきますので!お楽しみに!

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