旅館に、もっと熱を。Staff Blog

スタッフが綴る富嶽はなぶさをお楽しみください

”おもてなし”をアップデートするため続けているスタッフ研修

旅館はやっぱり「人」だから

先日、全スタッフを集めた研修を行いました。

コロナ禍になり、全スタッフが集まる機会は激減しました。

それまでやっていた月に一度の「全体ミーティング」も中止しましたし、歓迎会や送迎会などもやっておりません。

あまり大きな旅館ではないのですが、それでも30人を超えるスタッフがいるのでコミュニケーションの難しさはある。

そういう意味でも「研修」を通したコミュニケーションは、スタッフにとっても大事な時間でありました。

 

1年間掛けてアップデートを

「もっと価値を提供し、もっと価格を上げていく」

と宣言して1年以上経ちました。

板前の修行をに旅館産業に携わり10年弱。宿泊業界には多くの問題点がある、と強く感じていました。

  • 慢性的な長時間労働
  • 上がらない給料
  • スタッフの高齢化
  • 利益率が低くサービス向上させる投資ができない
  • ハード面も劣化していく
  • 若手の担い手がいない

などなど。バブルが弾けてから激化した安売り競争により、多くの施設が利益が出せない状態になっています。

「給与が安い→若い人がいなくなる→古いままの体質→システム導入などに遅れを取る→人件費が圧迫する→利益が出ない→サービスやハードに投資出来ない」という悪循環。

”もっとこうしたら良いのに”という伸び代しかないのに、それが出来ない。

悪い状況を変化させる為、「生産性の向上」「価値を上げて販売価格のアップ」を目標に動き始めました。未来に”旅館”という日本の文化を残すためです。

システムを導入し、それまで紙ベースで行っていた予約管理などをデジタル化し、電話予約からWEB予約へ主導線を変更。

改修を行い、食事処のオペレーションの生産性を上げ、QRコードを使ったドリンク注文システムを導入したりしました。

 

ネガティブな値段アップはしないと決めていた

「旅館は値上げするのが大変なんだよ」

口を揃えて多くの同業者は言う。

確かに否定はしません。ただし、それは”ただ値上げする場合”に限るかと。

「増税のタイミングで値上げする」とか「GoToトラベルのタイミングで値上げを」みたいな話が聞こえてくる。何も変えずに料金だけコソッと値上げする。いわゆる”ネガティブな値上げ”を。

僕らは「絶対にネガティブな値上げはしない」と決めてました。つまり「価値を上げて価格を上げていく」という方向へと。

  • アメニティをSDGsに配慮した上質なものに変更
  • チェックインを2階でゆったりと
  • ウェルカムドリンクの提供
  • 朝食のアップデート
  • フリードリンクサービスの開始

などなど、しっかりと価値を上げる様に準備をしました。

新たなスタイル「HANA Style」についてはこちらの記事を

 

未来に向けての投資

上記の様に価値を提供する準備をするため、外部から講師の方を招いた研修を始めました。

同時に、サービス・料理・オペレーション・清掃・備品類なども再確認も。

正直、その投資分でお部屋の改装や館内スペースの改修をした方が分かりやすく価値を上げられます。

でも、「旅館は人が作っている」というのが僕の信条。「人に投資する」という方が、長期的に見て旅館のためになるはずだと信じて。

研修を始めて1年弱。「スタッフが全員良いサービスだった」と言われる機会が驚くほど増えました。

それまでバラバラだったサービスが統一化され、電話の取り方、頭の下げ方、提供の仕方など、細かい部分が格段に上がった。僕自身も分かるほどに。

また、”お客様への接し方”も改善され、館内に笑顔が増えた印象に。

ほとんどの旅館が施設への投資をする中、僕らは人へ投資して本当に良かった、と心から思うんです。

  • 旅館はやっぱり「人」だから
  • 旅館を運営する人
  • 旅館に泊まる人
  • 旅館で働く人
  • サービスする人
  • お風呂を洗う人
  • 料理を作る人
  • 食材を納品する人
  • シーツを洗う人

などなど、ここに書けないほど多くの「人」が関わって作り上げている旅館。だからこそ、「旅館で働く人」に投資するのが僕の役目だなって。

富嶽はなぶさも、まだまだ伸び代があります。というか伸び代だらけです。

これからもどんどんアップデートしていきますので、お楽しみにです!

富嶽はなぶさを愛してくれる全ての方を裏切らない、それが想いです。

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