旅館に、もっと熱を。Staff Blog

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若き調理人の挑戦の場は「賄い」

誰もが通る道”賄い料理”

僕も、板前になって10年以上が過ぎ去っていきました。本当に色々な思い出がありまして、それは良い思い出も悪い思い出も。ですが不思議なもので、今になって振り返ると全て良い思い出に感じるものですなぁ。僕も歳をとったという事でしょうか。

板前だけではなく、どんな職業でもそうでしょうが、やはり就職して1年目が一番キツイ時期ですよね。何も出来ない新人は、怒られ続けて成長し、色々と気づいて力を付けていくもの。僕もそうでした。

調理人が一番最初に与えられる仕事として「賄い料理」があります。同じ調理場で働く人や、ホールスタッフの食事を作るアレ。毎日の山の様な仕事をこなしながら、自分で時間を作って、無い知恵と無い腕を絞って作る賄い料理は、正直本当に成長に繋がります。

料理って”組み立て”が大事で、時間を逆算して作り始めるのがコツ。賄い作りは、料理人としての第一歩。そして挑戦の場でもあります。

最初の頃は、

  • 野菜炒め
  • チキンカツ
  • カレー

など、正に王道の料理を作っていた僕。そのうちにチョット挑戦したくなるんですよね。「親方や兄弟子が、自分の料理をどう感じるのか?」と。

  • で、ボロカスに言われたり
  • 何も言わずに残してあったり
  • 完食してたり
  • 「あれ美味しいわ」と言われたり

忖度ない反応を受けるので、自信になったり反省したりと。

一番嬉しかったのは、自分の賄い料理が次の月の献立になってた時。「鶏の西京焼き」と書かれた献立を見て、感動したのを今でも覚えている。今尚僕の献立に入る大事な献立で、何なら今月の献立にも入っています。美味しいので、ご期待あれ。

先日、同じ調理場で働く弟が何やらチラチラ本を見ながら料理をしておりました。その様子をチラチラ見ながら仕事をしていた僕。賄いの時間に出されたのが、ガパオライスでした。

まだ改善の余地はありそうでしたが、その姿勢は大事だなぁ・・なんて思ったり。やっぱり、常に「挑戦する」って気持ちが大切なんですよね。

いつもの料理、いつもの仕事、いつもの仕込み、になってしまうと思考が停止しますから。僕にとってはワイン会や献立作成が「挑戦する」機会ですが、彼は”賄い”が挑戦する舞台なんだなぁと。

さてさて、4月から19歳の若き料理人が就職するので、彼にも同じ様に常に「挑戦者」であってほしいなぁと思う如月の半ば。

もうすぐ河津桜が満開になりそうですね。来週くらいなのかな?今年は早いみたいなので、お気をつけて。

伊豆長岡の河津桜も、チラホラ咲いてきました。オススメは、リバーサイドパークの河津桜です。