旅館に、もっと熱を。Staff Blog

スタッフが綴る富嶽はなぶさをお楽しみください

賄いから学ぶ

いつだって”美味しい”を求める

料理って、「こうやったら美味しいかな?」とか「あの人に食べさせたい」みたいな感情が凄く重要で、そういう”目的”が無いとただの作業になってしまいます。まぁ、どんな仕事でも同じことが言えるのでしょうが。料理人は、誰かを喜ばせる為に料理を作っている。

それは

  • お客様かもしれないし
  • 家族・友人かもしれない

食べてもらう人を想って料理を作っている。もう一つ、料理人が料理を作る目的の人がいる。それは、同じ料理人とスタッフです。いわゆる「賄い」ですね。この賄いが非常に重要で、若い時は自分の腕を試す絶好の機会なのです。

僕も、東京での修行時代は賄いで様々な事を勉強しました。

  • 焼物
  • 揚げ物
  • 煮物
  • 炒め物・・

などなど、和・洋・中の料理を色々試しながら作っていました。

  • 本を買ったり
  • 先輩にアドバイスしてもらったり
  • 自分のアイデアを具現化したり

怒られることも褒められることもありながら勉強した日々今振り返ると、本当に大切だった時間です。当時は、賄いづくりが嫌で嫌で仕方なかったのですが、苦労は人を成長させますよね、やっぱり。試行錯誤がとても大切なんです。

先日、親方が賄い用に「かき揚げ」を作ってくれました。時間に余裕がある時に作ってくれる逸品です。正直、僕はあんまり「かき揚げ」が好きではないんです。食べると重いし、食後の胃のムカつきはたまらないですし。でも、親方の作るかき揚げは全く重くなく、むしろ軽いくらい。その理由は、小麦粉の入れる量を最小限にし卵をその分多く入れるという手法だから。モッタリしていなくて、サクサク何個でも食べられてしまいます。

親方も、蕎麦屋でかき揚げを食べた時に「こうやってるのかな?」と再現したのだとか。そう、やっぱりいつだって”美味しい”のアンテナを張り巡らせておくことが大切なんです。親方クラスの腕を持っていても。

今の「富嶽はなぶさ」もそうだし、「はなぶさ旅館」もそうだったし、東京で修行した料理屋でもそうだったのだですが、賄いに”お金”を掛けさせてくれたんです。普通は”余った食材”を使って賄いを作るのですが、賄い用に食材を仕入れさせてくれた。それが本当に良かったです。「賄いも勉強!」 修行時代に毎日のように言われた言葉です。仕事で無駄な事なんて一つもないし、一つ一つが力になるんだなぁと今になってしみじみと。

さて、今日も「美味しいもの探求」を続けよう!ダイエット中だけども~。かき揚げ食べたいけども~。