旅館に、もっと熱を。Staff Blog
スタッフが綴る富嶽はなぶさをお楽しみください
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段々と暑くなってきた伊豆長岡。富嶽はなぶさの事務所もクーラーが必要になってまいりました。
料理も春の食材から夏の食材へ。
煮物は筍土佐煮から南瓜岩石寄せに変わったり、鮎のお造りが始まったり。
”四季を食べる”が日本料理の面白さの一つ。
富嶽はなぶさ初夏の味をお楽しみください。
今は特に青梅が非常に良い時期です。
梅シロップや梅酒作りをするご家庭も、少なくないのではないでしょうか?
ちなみに僕は昨年から梅酒作りを始めまして、今年で2年目。昨年作った梅酒も絶賛寝かせ中でございます。
この”時間が美味しくしてくれる”のがたまりませんよね。
今年はホワイトリカーではなく日本酒で。そして甘さも控えめにして。ホントたのしい。
さて、青梅ですが梅酒や梅シロップ・梅干し以外はどんな風に使うのでしょう?
富嶽はなぶさでは、「青梅密煮」にしてご提供しております。
献立に「青梅蜜煮」という文字が現れると少し興奮する自分がいる。
とにかく仕込みに時間がかかり、丁寧に丁寧に味を含ませていく仕事は和食の真髄。
青梅甘露煮の梅の下処理をしました。20キロの下処理、結構な量でした。 pic.twitter.com/ByS5goxewI
— 後藤信也 (@pINFVUoXHYfF9ZA) June 4, 2021
先ずは丁寧な下処理。
ヘタを取り除いてから一度冷凍庫に入れて繊維を壊します。
青梅を銅鍋にかけていきます。銅の成分でこれだけ綺麗な色合いになります。
これが色付けです。 pic.twitter.com/C6wajh6AT1— 望月学 (@fugakumochizuki) June 4, 2021
そして色付け。青梅の”色出し”をするのではなく”色付け”です。
銅鍋の銅の成分により青梅に色を付けるのです。ご家庭でやる場合は、綺麗に洗った10円玉でやると良いです。
流水でしっかりと銅の成分を落としてから味付けをしていきます。
青梅甘露煮仕込み中です。色付けし
柔らかく戻した梅を仮蜜で1日じっくりと含ませていきます。 pic.twitter.com/tCyipIcJsv— 望月学 (@fugakumochizuki) June 6, 2021
そしてそこから、仮蜜で味を段階的に濃くしていくのです。
特に重要なのが温度で、温度差があるとすぐにシワが寄ってしまします。あまり梅の数が多くても、梅同士が押されてしまってシワが出来ます。
また、梅は丁寧に扱わないとすぐに皮が破れてしまいます。本当に繊細な仕事なのです。
青梅甘露煮仕込最終日。仮蜜から本蜜に
移していきます。この時に両方の温度を
一定にして移さないとシワが寄ってしまう事になります。本蜜で1日じっくり
含ませていきます。仕上がるまで6日間
かかりました。冷蔵庫で冷まして完成です。良い感じに仕上がりました。 pic.twitter.com/GwxExyUDBL— 望月学 (@fugakumochizuki) June 7, 2021
青梅という素材の特性を理解し、温度・扱い方の管理を徹底していく。
その結果
などを最大値化できるのです。
ここまで説明してきてなんですが、ご家庭では再現不可能かと思います。
など、隅々までプロの技を散りばめた作品です。
6月の献立に入っておりますので、是非是非ご賞味くださいませ。
「なにこれ?美味い!」ってなるはずですから!
このプックリした青梅は仕込みから完成まで約1週間掛かります。
青梅を下処理して冷凍し→色付けして柔らかく戻す→仮蜜(段々濃くしていく)であじを入れる→本蜜で仕上げるシワが寄ったり皮が破けたりしていない見事な出来栄え。コレがプロの技 pic.twitter.com/9XtaHuI09b
— 「はな」富嶽はなぶさ/伊豆長岡温泉 三代目 花房光宏 (@hanabusamitsu) June 8, 2021
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