旅館に、もっと熱を。Staff Blog

スタッフが綴る富嶽はなぶさをお楽しみください

「バイキングが良かった」「洋食が良かった」という声について思うこと

ウチにはウチのこだわりが

日々、館内アンケートやネットのレビューなどを見ているといろいろなご意見をいただきます。

「まだまだ足りない部分があるな」と思ったり、「ここは自信を持って良いところだな」と思ったり。

お客様目線で考えよう!と思っていても、いつの間にか主観的に考えてしまう部分があるのでアンケートやレビューは非常に重宝しております。ご協力にいつも感謝しております。ありがとうございます。

お客様からいただくご指摘については、僕らは2つの目線しか持っておりません。

  • 対応する
  • 対応しない

この2つだけ。

例えば、「ゴミ箱が小さくて使いづらかった」というご意見は「対応する」、「フロントの笑顔が少なかった」というご意見にもしっかり対応してスタッフ教育をする。

「大浴場に露天風呂が欲しい」というご意見には、すぐに対応できる資金や工事に取れる休館日はないという現実があるので対応しない。ただ、検討はする。

「食事の味が濃かった・薄かった」というご意見にも基本的には対応しない。一度試食してみて、自分たちが「美味しい」と思うのであればそのままの味付けでOK。

そんな感じで日々ご意見を仕分けしている。

 

全員美味しいは不可能説

先日、ネットレビューで朝食に2点が付いた。

「ん?なんだろ?珍しいな」と思っていたら、朝食のアブラカレイの餡掛けがお口に合わなかったそう。

これに関しては”仕方ない”と思っていて、料理は全員が「美味しい」なんていうことはありえない。その前提が必ずあると思っている。

ミシュラン三つ星のレストランだって、ネットのレビューを見れば辛辣な意見が並んでいるのが答えかと。

料理は

  • 育った環境
  • 国や土地
  • 日々の食習慣
  • 交友関係

など、さまざまな部分で好みが形成されます。夏がダメだったりセロリが好きだったりするアレですね。

外国人が日本の煮物を食べて「スウィート」と表現するのが分かりやすい例えかと。

だから僕らが「これは美味しい」と思うものを出し続けることが必要で、味付けに関しては自分たちが納得していればユーザーの意見はあまり聞かなくても良い、というのがボクらの決まりごと。

もちろん、いただいた意見に関しては一度必ず試食をしてみますが。

 

「バイキングの方がよかった」

「バイキングの方が良かった」という意見もたまに頂戴します。

ですが答えは「絶対にやらない」です。「洋食がたべたかった」というご意見にも、「絶対にやらない」と即答する。

別に、バイキングや洋食を否定しているわけではなく、富嶽はなぶさとして一番美味しく出せる形が今の和朝食だから。(僕はバイキングも洋食も大好きです)

ウチがバイキングをやっても満足いくものを提供できないし、板前が作る洋食を食べたいだろうか?

「手作りで想いのこもった料理を」

それが富嶽はなぶさの”こだわり”です。

 

ウチにはウチのこだわりが

昨年の8月に完全フルリニューアルをした当館の朝食。

コロナ禍の4月に、「未来に向けて本気で朝食をリニューアルしよう」と調理場メンバー全員で意見を出し合いゼロベースから形にしました。

今までの朝食の

  • 器も
  • 内容も
  • 味付けも
  • 出し方も
  • プレゼンテーションも
  • オペレーションも

全て一から考え直して。

どうしたらお客様に楽しんでもらえるか、を掘り下げていきました。

以前の朝食は、朝からどうしてもたくさん食べすぎてしまう内容でした。

だから、リニューアルした朝食のコンセプトは「ちょっとずつを沢山」へと変更。

  • 豆皿で少しずつをたくさん楽しんでもらえるようなレイアウトにしたり
  • 昨年閉店してしまった「とろろ家はなぶさ」のとろろを入れたり
  • 漬物を自家製にしたり
  • ヨーグルトに自家製ソースをのせたり
  • 鯵の干物をやめてカレイの餡掛けにしたり

さまざまな部分で”ウチのこだわり”を詰め込みました。

「伊豆の旅館なんだから鯵の干物を出す」はもう古いかなと。飽きているかなと。

「どこの旅館でも食べられるものをわざわざウチでやる必要あるのか?」という想いは強くある。だから以前出していた鯵の干物はやめました。

そんなこだわりを愛してくれたら嬉しいです。

(朝食のこだわりについてはこちらを→富嶽はなぶさの朝食を徹底紹介!

 

いつだって選ぶ権利はユーザーにしかない

さて、そうは言っても宿を選ぶ権利はユーザーにしかないのです。

どんなに愛情を込めようが、どんなにリニューアルしようが、その宿に行く・行かないを決められるのはユーザーだけ。

バイキングが好みであればバイキングをやっている宿を選べば良いし、洋食が食べたければホテルという選択肢がある。

「どこにフォーカスするのか?」

宿を決めるときに、最初に譲れない部分を設定しておくと宿選びをしやすいと思います

ちなみに僕は「料理」が絶対的な部分で、料理を軸に宿選びをする。

だからリーズナブルな宿のバイキングは選ばないし、夕食が付いていなければ「美味しい料理屋の近くの宿」を選ぶ。

ユーザーそれぞれによってその目線は違うのかと。

  • お子様連れならお子様主体で選ぶし
  • 記念日なら記念日プランのある宿を
  • カップルなら雰囲気の良い施設を
  • プロポーズならラグジュアリーなホテルを

など、シーンや用途に合った選び方をするのがおすすめ。

「景観が良くて、和食が美味しくて、サービスが温かい」だったら富嶽はなぶさかと。

HPやブログ・SNSなどで日々発信しておりますので、ご覧いただけたらミスマッチは少なくなると思います。

 

多くの反響

という様なことをTwitterで書いたら、多くの反響をいただきました。

  • 「美味しそう」
  • 「もはやバイキングやん」
  • 「最高すぎる」
  • 「毎日食べたい」

など、嬉しいお言葉ばかりで朝食をリニューアルして本当に良かったな と。

バイキングでもないし、洋食でもないし、鯵の干物も出てきませんが、こだわりの朝食を楽しんでいただけたら幸いです。

1泊朝食付きプランもございますので。

お越しをお待ちしております。

朝食付きプランのご予約はこちらから