旅館に、もっと熱を。

【和食にフレンチを】コンソメ出汁のつくりかた

正直こんなに手が掛かるとは思わなかった・・

第6の味覚「旨味」を知る

フレンチシェフネタばかりで恐縮ですが、今日も今日とて。7月は、「人参ムース コンソメジュレ掛け」という和食らしからぬ献立が入っているのは彼のおかげ。僕らは和食を教えて、フレンチのシェフからは洋食を教えてもらっている毎日。とても良い刺激になっております。やはり和食とフレンチでは全然料理として内容が違っていて、素材の活かし方、味の合わせ方などなど色々な部分で勉強になります。

和食の基本は「出汁」です。日本人が新たに作ったと言われる、第6の味ですね。甘み・辛味・酸味・苦味・塩辛みの5つに、「旨味」と言う味が加わりました。鰹節と昆布から取る”一番出汁”は、和食の命です。お椀はもちろん、煮物や寄せものの出汁、喰い味のタレなど、様々な部分で”出汁”が使われるのが和食の基本。昆布から出るグルタミン酸と、鰹節から出るイノシン酸が合わさって、最高の「旨味」となるのは科学的にも証明されています。

では洋食は?

そうです、ブイヨン(コンソメ)ですね。肉と野菜から旨味を抽出させたお出汁。和食の一番出汁ほど登場機会は多くない様で、フレンチシェフ曰く「ちゃんとしたブイヨンを取れる人は少ないですよ」と。(えっ?ブイヨンって誰でも取れるんじゃないの?)って心の中で思っていたのです。だって、和食で「一番出汁取れません」なんて奴がいたら、「包丁捨てて実家へ帰れ」って感じですから。しかし、洋食のブイヨンはそうではないらしい。・・・それは気になる。って事で、ちゃんとしたブイヨンの取り方を教えてもらいました。多分、ここでレシピを書いても作れる人はいないでしょうが、とりあえず書いておきます。

鶏ガラ掃除して水から炊く

アクをよくすくってから香味野菜を投入。しっかり詰める。(スパイスとかを入れても可)。濾して火にかけてから人肌くらいまで冷ます。

別鍋にて鶏ひき肉に塩をして粘りを出し、打ち野菜を入れてトマトペーストを入れて練る。卵白をべしゃるくらい入れてからスープを入れ合わせる。スープを全部入れて鍋に当たらないように良く混ぜながら一本火にかける。(混ぜながらじゃないと下に沈んでしまって澄まないから)

75度くらいを目指す。そのまま3時間くらいトロ火で炊いて、しっかりとリードで裏ごして完成!

と言う流れ。2日がかりでした。とんでもなく繊細な仕事ですが、一つ一つの順序が理にかなっているなぁと感心しました。丁寧に取られたブイヨンは、肉と野菜からの旨味が驚くほど抽出されていて、余計な雑味は全くありませんでした。卵白に雑味を吸わせるのがポイントなんだとか。肉から取ったスープが、何故こんなにも澄んだ色をするのか?と驚きましたが、確かに”ちゃんとしたブイヨン”を取れる人は少ないだろうな・・と知った令和最初の夏。

富嶽はなぶさでは、コンソメジュレとして人参ムースの上に掛け、トップに蒸し雲丹を盛って提供しております。葉月の献立も”楽しさ”と”美味しさ”を散りばめておりますのでお楽しみに!